タイ旅行に訪れる多くの人々が、象とのふれあいを憧れる体験のひとつとして挙げるのが「象乗り」。しかし、バンコク都心に直接象乗りができるスポットはなく、郊外へ足を伸ばす必要があります。本記事では、バンコク近郊で楽しめる象乗り体験施設を、エリア別に詳しくご紹介します。古都アユタヤ、ナコンパトム、ダムヌンサドゥアック、そしてパタヤとそれぞれ個性あふれる体験が待っているので、旅行プランに合わせて選んでみてください。
バンコク都心での象乗り体験の現状
バンコク旅行中に「象乗り体験」を検討する方も多いですが、実際には都心ではなく、車で40~50分程度離れた郊外でのみ体験可能です。したがって、日帰りツアーやチャーターカーを利用して、ゆっくりと象とのふれあいを楽しむことが一般的です。郊外への移動も、現地での観光スポットと組み合わせることで、充実した一日を過ごせるでしょう。
象乗り体験を計画する際の注意点
象乗り体験を申し込む前に、いくつか確認しておくべきポイントがあります。まず、料金体系が明確かどうか。体験の所要時間によって料金は大きく変動し、短いコースであれば400~600バーツ程度、濃厚なふれあいや水浴び体験が付く場合は1,000バーツ以上になることもあります。また、体験中に象が鼻でチップを求めることもあるため、あらかじめ予算に入れておくと安心です。
さらに、事前に料金体系や追加費用についてしっかり確認しましょう。体験料金が一人分なのか、家族全体でなのか、また子ども料金や往復料金が別途発生する場合など、旅行中のトラブルを避けるためには、スタッフとの十分なコミュニケーションが大切です。現地では、質問攻めをすることでスタッフ側も丁寧に説明してくれることが多く、ぼったくりを未然に防ぐことができます。
エリア別に見る象乗り体験施設
アユタヤ方面
バンコクから北へ約1時間半の位置にある古都アユタヤは、世界遺産にも登録されている歴史的な街です。このエリアでの象乗り体験は、遺跡の合間を象とともに巡るという、タイらしい風情あふれる体験が魅力です。たとえば、アユタヤエレファントキャンプでは、広大な遺跡群をバックに、象に乗ってゆっくりとした散策が楽しめます。
また、遺跡周辺を象と共に歩くことにより、被写体としての象と歴史的建造物とのコントラストを楽しむことができ、写真映えする体験にもなります。ただし、施設によっては道路上を歩く形式になり、象にとっては負担がかかる場合もあるため、動物福祉の面からスタッフと十分に会話をすることが大切です。
ナコンパトム方面
バンコクの西側に位置するナコンパトム方面は、近郊で手軽に象乗り体験を楽しむことができるエリアです。ここでは、特に子ども連れに配慮した施設が充実しており、象乗りだけでなく、象に餌をやったり一緒に散歩できたりする体験プログラムが用意されています。動物カフェのような明るい雰囲気の施設では、遊具や水遊びコーナーも設けられており、ファミリー層に大人気です。
たとえば、象園に併設されたカフェでは、子ども向けの短時間の象乗り体験があり、参加費用もリーズナブルな設定になっています。象乗りは、普通の散歩コースとして20分以上楽しめるものや、象のショーの後に用意される短い体験コースなど、選択肢が豊富です。予算や体験時間に合わせて、どちらのコースにするかを事前に検討すると良いでしょう。
ダムヌンサドゥアック方面
ダムヌンサドゥアックは、昔ながらの水上マーケットで有名なエリアです。この地域では、マーケットツアーと一緒に組み込まれる象乗り体験が人気となっています。チャンプアックキャンプといった施設では、観光ツアーの一環として、象と一緒に地域の風景やマーケットの雰囲気を楽しむことができます。
象乗りのほかにも、施設内では象のショーやふれあい体験が実施され、短時間でも十分に象を間近に感じることが可能です。水上マーケットとのセットプランは、移動時間を有効利用できるため、観光スケジュールに合わせやすいのも魅力のひとつです。家族連れはもちろん、初めて象乗りに挑戦する方にもおすすめのエリアです。
パタヤ方面
バンコクから車で約2時間南に位置するパタヤは、リゾート感あふれる観光地として知られています。日帰りでも宿泊でも楽しめるこのエリアでは、象乗りだけでなく、さまざまな動物とのふれあい体験が可能です。中でもエレファント・ビレッジと呼ばれる施設は、自然豊かな森の中に設けられており、象が自由に歩き回る姿を間近で観察できるとともに、スリル満点の乗馬体験が楽しめます。
また、周辺には象の保護活動に力を入れるサンクチュアリも存在し、動物福祉に配慮した環境で象と接することができます。観光スポットとしての魅力だけでなく、環境保護や動物愛護という視点からも注目されている点が、パタヤ方面の象乗り体験の大きな特徴です。
象乗り以外の象とのふれあい体験
近年、象乗り自体に対する賛否が分かれる中で、象との自然なふれあいを求める体験も注目されています。多くの施設では、象の水浴び体験や餌やり、さらには象のお世話をするプログラム(エレファントケア)を提供しており、乗る体験だけではなく、象の生態や性格をじっくり観察できる機会が用意されています。
こうした体験は、特に子どもたちに生き物への興味や尊敬の念を育む良い機会となります。直接象に乗るのではなく、象の世話を手伝ったり、一緒に散歩を楽しむことで、より自然な形で象と向き合うことができるのです。観光客にとっても、動物愛護の意識を高める学びの場となり、旅行の中で心に残る体験となるでしょう。
現地ツアーの利用と注意すべきポイント
バンコク近郊の象乗り体験は、個人で行く場合とツアーに参加する場合で体験内容が大きく異なります。多くの旅行者は、事前にパッケージツアーを予約し、移動や体験内容があらかじめ決まっているプランを利用しています。ツアーであれば、現地のスタッフが親切に案内してくれるため、言語の壁や初めての環境でも安心して参加できるでしょう。
ツアーに参加する際は、以下の点を確認しておくことをおすすめします。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金体系 | 体験時間や追加費用、子ども料金の有無 |
| 移動手段 | チャーターカーか集合型のツアーか、移動時間の詳細 |
| 体験内容 | 象乗りだけなのか、ショーやふれあい体験がセットなのか |
| 事故防止対策 | スタッフの対応や安全対策の有無 |
また、施設によっては追加でネックレスやお土産を強引に勧められるケースもあるため、最初から料金の詳細をしっかり確認し、過度な勧誘があれば丁寧に断ることが大切です。
旅行プランに合わせた象乗り体験の楽しみ方
象乗り体験は、象とのふれあいだけでなく、地域の文化や観光地を同時に楽しむ絶好の機会です。たとえば、アユタヤ方面では象乗りと歴史的遺跡巡りを組み合わせることで、夕暮れ時の幻想的な風景を背景に、象と共に記念撮影を楽しむことができます。また、ナコンパトム方面では、子ども向けの動物カフェと併設された象乗り体験で、家族全員が安心して楽しめる環境が整っています。
さらに、ツアーであれば、水上マーケットや鉄道マーケットといったタイならではの風情を感じられる観光地を訪れるプランもあり、移動時間を含めた一日が大いに充実したものとなります。予め目的地や興味のある観光スポットをリストアップし、それに合わせたツアーやチャーターのプランを選ぶと、効率よくタイの魅力を堪能できます。
象乗り体験と動物福祉の視点
昨今、動物愛護の観点から象乗り体験に対する批判も見られます。タイにおいては、象はかつて戦いや農作業で重宝され、人々の生活に深く根付いてきた存在です。そのため、象とのふれあいは単なるアトラクションとしてだけでなく、動物と人との歴史的なつながりや共生の文化を体感する貴重な機会といえます。しかし、象に無理な負担をかけないために、施設側も最近ではエレファントケア(象のお世話体験)など、より動物に優しい方法を取り入れる動きが増えています。
旅行者としても、象乗り体験を選ぶ際には、施設の運営方針やスタッフの対応に注目し、象にとってストレスの少ない環境であるかどうかを判断することが求められます。子どもたちに生き物への優しさや共生の大切さを伝えるためにも、動物福祉の観点を踏まえた体験を選ぶと良いでしょう。
まとめ:象との思い出を家族で作ろう
バンコク近郊での象乗り体験は、タイの歴史や自然、文化と融合した魅力的なアクティビティです。アユタヤの歴史的な雰囲気の中で象と歩むひととき、ナコンパトムやダムヌンサドゥアックの水上マーケットとともに楽しむ体験、さらにはパタヤでのリゾート感あふれる象との出会いなど、選び方は多岐にわたります。また、象乗り以外にも、象の世話体験や水浴び体験を通じて、動物とのふれあいの新たな一面を発見できるでしょう。
旅行プランを立てる際には、各エリアの特性や、体験施設の料金体系、移動手段、安全対策をしっかりと確認することが大切です。現地でのスタッフとのコミュニケーションを大切にし、疑問点や不安な点は遠慮なく質問することで、安心して体験を楽しむことができます。家族での旅行であれば、子どもたちにとっても、象との触れ合いが心に残る素晴らしい体験となるはずです。
タイの象乗り体験は、単なる乗馬アクティビティではなく、象と共に歩んできた歴史や文化、そして動物愛護の視点を学ぶ機会でもあります。旅行後に振り返れば、象と過ごしたあの暖かい記憶は、家族みんなの宝物となることでしょう。皆さんもぜひ、自分たちの旅行プランに合わせた最適な施設を見つけ、象との貴重なふれあいのひとときを楽しんでください。
最後に、各施設での体験が、タイならではの豊かな自然と文化、そして象に対する深い愛情を感じさせるものでありますように。家族全員で、安心して楽しい思い出を作るためにも、しっかりと情報を収集し、準備を整えて出発してみてください。


