健康ブームやフィットネス人口の増加に伴い、スポーツジムの需要がますます高まっています。しかし、多くのジムがある中で、どのジムを選ぶべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スポーツジム業界の最新動向から人気ランキング、各ジムの特徴や料金体系まで徹底的に解説します。自分に合ったジム選びの参考にしてください。
スポーツジム業界の最新動向
市場規模と回復傾向
スポーツジム・フィットネス業界は、コロナ禍で大きな打撃を受けましたが、現在は着実に回復基調にあります。2019年には過去最高の約7,000億円規模だったフィットネス市場が、コロナ禍の2020年には5,248億円まで下落しましたが、2024年度には過去最高だった7,000億円に到達することが見込まれています。
特に、低価格ジムや24時間営業ジムの増加、新業態ジムの登場により、フィットネス市場の盛り上がりが加速しています。
主要プレイヤーと市場シェア
スポーツジム・フィットネス業界では長年、コナミスポーツ(旧エグザス)とセントラルスポーツが業界最大手の座を争ってきましたが、新興勢力のライザップが小型ジム「chocoZAP」で急成長し、売上高1位になりました。
現在の業界トップ5は以下の通りです:
- ライザップ(RIZAP)
- コナミスポーツ
- セントラルスポーツ
- ルネサンス(2025年4月に東急スポーツオアシスと統合予定)
- カーブスホールディングス
各社とも、コロナ前の利益水準には及ばないものの、売上高については着実に回復しています。例えば、ルネサンスは通期で95%までの回復を見通しており、またセントラルスポーツも85%まで回復を見通すなど、着々と勢いを取り戻しつつあります。
最新トレンドと今後の展望
フィットネス業界では、以下のようなトレンドが見られます:
- 低価格ジムの台頭: 従来のジムよりリーズナブルな料金で利用できるバジェット型ジムは、最近急激に店舗数を増やしており、欧米から広がったこのスタイルが日本でも需要を増やしています。
- 24時間型ジムの急増: 2023年9月~2024年8月にオープンした新規フィットネス施設1,152施設のうち、24時間型が826施設で全体の71.7%を占めました。これはRIZAP株式会社のライト層向け24時間型「chocoZAP」の影響が大きいですが、他の24時間型ブランドでも数十店舗を出店しています。
- パーソナルトレーニングの人気化: マンツーマンで自分専用のトレーニングメニューを組んでもらえるパーソナルジムは、ここ数年人気が高まっているジャンルの1つです。様々な目的に特化したパーソナルジムも増えています。
- ピラティスの流行: 韓国アイドルやモデル、人気インスタグラマーなど美しいスタイルを持つ人たちの間で流行しているピラティス、特にマシンピラティスはSNSで注目を集めています。もともとリハビリのために生まれたエクササイズで、足腰に不安がある方でも運動しやすい点が魅力です。
スポーツジム人気ランキングTOP5
それでは、人気・評判・特徴を総合的に判断した、おすすめスポーツジムランキングを紹介します。
1位:ライザップ(RIZAP)
特徴:
- 「結果にコミットする」の有名なフレーズで知られる
- パーソナルトレーニングに特化
- 短期間での確実な体型改造を約束
- 最近は低価格の「chocoZAP」も展開
料金体系:
- パーソナルトレーニング:入会金50,000円+月額コース298,000円~(2ヶ月)
- chocoZAP:月額2,980円(税込)
おすすめポイント: 短期間でのダイエット成功と肉体改造を提唱し、極端な食事制限をすることで、短期間で痩せることを「保証」するという新しいビジネスモデルを確立しました。
高額ではありますが、確実に結果を出したい方には最適です。また、低価格帯の「chocoZAP」は「スキマ時間に手軽に運動できるコンビニジム」をコンセプトに2022年7月に立ち上げられ、「タイパ」や「コスパ」を重視する消費トレンドを捉え、1年足らずで会員数を55万人まで増やした人気ブランドです。
2位:コナミスポーツクラブ
特徴:
- 全国に178店舗を展開する国内最大級の総合型スポーツ・フィットネス施設
- 豊富なプログラムや設備が魅力
- 高品質なサービスで定評がある
料金体系:
- 入会金:3,300円~5,500円(税込)
- 月会費:7,700円~13,200円(税込)※店舗や利用プランにより異なる
おすすめポイント: コナミスポーツクラブは、大人を対象とした豊富なプログラムから、子ども向けのスポーツ教室まで、年齢を問わず楽しく体を動かすことができます。筋トレマシンやサウナ室などの設備も充実し、男性・女性関係なく体づくりに熱を入れられるスポーツクラブです。
また、ジムエリアには、カーディオ(有酸素)マシンや多機能ストレングスマシン(筋トレ系)を導入するなど、関東・関西の店舗が次々リニューアルされています。ヨガやストレッチなどのゆったり系なものから、ダンスなどのハード系なプログラムまで、運動が得意な人も、そうでない人も参加しやすいプログラムが豊富にそろっています。
3位:エニタイムフィットネス
特徴:
- 24時間年中無休で利用可能
- 世界中の店舗が使える会員証
- マシンジムに特化したサービス
- コンパクトな店舗展開で駅前や住宅地に多数出店
料金体系:
- 入会金:5,000円(税込)
- 事務手数料:5,000円(税込)
- 月会費:7,000円~8,500円(税込)※地域により異なる
おすすめポイント: 24時間・年中無休のエニタイムフィットネスは、いつでも好きな時に行けるとあって、20~40代の忙しいビジネスマンの間で人気となり、都心で店舗を急拡大させています。
2023年3月末時点で会員数74万人に達しており、急成長を続けています。特に忙しい社会人や不規則な生活を送る方におすすめのジムです。
4位:セントラルスポーツ
特徴:
- 大型の総合スポーツクラブ
- プール・スタジオ・ジムの充実した設備
- 質の高いプログラムとインストラクター
料金体系:
- 入会金:3,300円~5,500円(税込)
- 月会費:7,700円~13,200円(税込)※店舗や利用プランにより異なる
おすすめポイント: セントラルスポーツの2024年3月期第2四半期の決算(連結)は、売上高225.96億円(前年同期比5.8%増)と業績が回復しています。
セントラルスポーツはプール、マシン、エアロビクスなどを行うスタジオの充実した設備を備えた総合型スポーツクラブです。露天風呂やジャグジーをウリにする店舗もあります。
スポーツクラブの「三種の神器」と言われるジム・プール・スタジオを全て揃えており、幅広い年齢層にサービスを提供しています。
5位:カーブス
特徴:
- 女性専用のフィットネスクラブ
- 30分の効率的プログラム
- 中高年女性を中心に人気
- 小型店舗で全国に約2,000店舗以上展開
料金体系:
- 入会金:15,000円(税込16,500円)
- 月会費:6,200円~7,200円(税込6,820円~7,920円)
おすすめポイント: カーブスの運動は、筋力運動・有酸素運動・ストレッチを1回30分で行うことのできるプログラムで、脂肪燃焼効果はウォーキングの約3倍です。
カーブスに通う人の多くはダイエットを目的にしていますが、高齢者の健康維持体操といった趣きも強く、健康寿命を延ばしたい、いつまでも足腰がしっかりとしていたいといった高齢者の欲求に応えています。店舗面積が小さくすむこと、また1店舗につき300人の会員獲得が損益分岐点ということで、小さい商圏で成り立つビジネスのため、日本国内のカーブスの店舗はすでに2000店を超えています。
2023年5月末時点での会員数は77万人に達しており、多くの支持を得ています。
フィットネスジムの種類と特徴
スポーツジムは大きく分けて以下の種類があります。自分のニーズに合ったタイプを選ぶことが重要です。
総合型スポーツクラブ
総合型スポーツクラブとは、プール、ジム、スタジオを兼ね備えた施設です。 コナミスポーツクラブ、ルネサンス、セントラルスポーツなどがこれに該当します。
メリット:
- 多様なプログラムやマシンが揃っている
- インストラクターによる指導が受けられる
- 温浴施設やスパがある場合も多い
デメリット:
- 月会費が比較的高い
- 混雑しやすい時間帯がある
- 入会手続きが煩雑な場合がある
24時間型ジム
24時間型ジムとは、24時間営業かつセルフサービスの時間帯のある施設です。 エニタイムフィットネスやジョイフィット、最近ではライザップのchocoZAPがこれに該当します。
メリット:
- 24時間いつでも利用できる
- 比較的リーズナブルな価格設定
- セルフサービスで気軽に利用できる
デメリット:
- スタッフが常駐していない時間帯がある
- プールなどの設備がないことが多い
- プログラムが少ないか、ない場合も
女性専用フィットネス
カーブスに代表される女性専用のフィットネスクラブです。
メリット:
- 女性が安心して利用できる環境
- 短時間で効率的なプログラムが多い
- 初心者でも始めやすい
デメリット:
- 男性は利用できない
- 設備やマシンが限定的な場合がある
- 営業時間が限られている場合がある
パーソナルトレーニングジム
ライザップに代表される、マンツーマンでトレーニング指導を受けられるジムです。
メリット:
- 一人ひとりに合わせたプログラム設計
- トレーナーのモチベーション管理
- 短期間での効果が期待できる
デメリット:
- 費用が高額
- 予約制のため自由に利用しづらい
- 契約期間の縛りがある場合が多い
自分に合ったジムの選び方
ジム選びで重要なのは、自分のニーズや生活スタイルに合ったジムを選ぶことです。以下のポイントを参考にしてください。
目的を明確にする
まず、スポーツジムに通う目的を明確にしましょう。
- ダイエット目的:有酸素マシンが充実したジムや、食事指導も行うパーソナルジム
- 筋力アップ:フリーウェイトが充実したジムやパーソナルジム
- 健康維持:プールやスタジオプログラムがある総合型
- リハビリ:専門スタッフがいるジムや低負荷のマシンがあるジム
立地と通いやすさ
どれだけ良いジムでも、通いづらいと続きません。
- 自宅や職場から近いか
- 通勤・通学ルート上にあるか
- 駐車場や駐輪場は十分か
- 駅からのアクセスは良いか
料金体系と予算
自分の予算に合ったジムを選びましょう。
- 月会費はいくらか
- 入会金や事務手数料はかかるか
- 追加料金(タオル代、ロッカー代など)はあるか
- 解約時の違約金や条件はどうか
設備とプログラム
自分が利用したい設備やプログラムがあるかをチェック。
- 必要な設備(プール、サウナ、スタジオなど)は揃っているか
- 参加したいプログラムはあるか
- マシンの種類や数は十分か
- シャワーやロッカーの使いやすさはどうか
営業時間と混雑状況
自分のライフスタイルに合った時間帯に利用できるかをチェック。
- 営業時間は自分の生活リズムに合っているか
- 利用したい時間帯の混雑状況はどうか
- 予約制か自由利用か
- 24時間営業のジムが便利な生活スタイルか
おすすめのスポーツジム利用法
せっかく入会したジムを継続して活用するためのポイントを紹介します。
初心者でも始めやすいプログラム
ジム初心者におすすめのプログラムや設備:
- ビギナー向けマシン:多くのジムには初心者向けの簡単なマシンが用意されています。スタッフに使い方を聞いて、基本的なマシンから始めましょう。
- 有酸素運動マシン:ランニングマシンやエアロバイクなどは比較的簡単に始められます。自分のペースで無理なく取り組めます。
- 初心者向けプログラム:多くの総合型ジムでは、初心者向けのヨガやストレッチなど、参加しやすいプログラムを提供しています。
- パーソナルトレーニング体験:多くのジムでは入会時にパーソナルトレーニングの体験や初回カウンセリングを提供しています。これを活用して、自分に合ったトレーニング方法を教えてもらいましょう。
続けるためのモチベーション維持法
ジム通いを継続するためのコツ:
- 目標設定:具体的かつ達成可能な短期・中期・長期目標を設定しましょう。「体重3kg減」「ベンチプレス〇〇kg達成」など、数値化できる目標がおすすめです。
- トレーニング記録:スマホアプリや手帳でトレーニング内容や体重変化を記録。進捗を可視化することでモチベーションが維持できます。
- トレーニング仲間をつくる:同じ目標を持つ仲間がいると、互いに刺激し合えます。グループレッスンに参加するのも一つの方法です。
- 習慣化する:「月水金の帰宅前に寄る」など、生活リズムに組み込むことで習慣化しやすくなります。
効率良く成果を出す方法
より効果的にジムを活用するポイント:
- トレーニング計画を立てる:闇雲にマシンを使うより、計画的にトレーニングする方が効果的。初心者は特に専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。
- 食事管理との併用:運動だけでなく、適切な食事管理も重要です。特にダイエット目的なら80%は食事で決まると言われています。
- 休息の重要性:筋肉は休息中に成長します。過度なトレーニングは逆効果になることも。週3回程度から始めるのが理想的です。
- フォームを大切に:重量や回数よりも、正しいフォームでトレーニングすることが怪我予防と効果向上に繋がります。
まとめ
スポーツジム業界は現在、コロナからの回復期にあり、多様な形態のジムが登場しています。売上高ランキングではライザップが1位となりましたが、自分に最適なジムは人それぞれ異なります。
目的、予算、立地、設備など様々な角度から検討し、ぜひ自分に合ったジムを見つけてください。継続して通えるジムこそが、最高のジムです。
健康的な生活習慣を築くための第一歩として、この記事があなたのジム選びの参考になれば幸いです。


