かぼちゃの種に白黒カビが発生！食べても大丈夫？管理栄養士が徹底解説

かぼちゃはハロウィンや秋の料理に欠かせない食材。甘みやホクホク感が魅力で、多くの家庭で丸ごと購入し、長期間保存しながら使うこともあります。しかし、保存中に「種の周辺に白や黒のカビが生えているのを見つけた」と不安に感じたことはありませんか？カビの種類によっては毒性や健康リスクがあるため、正しい知識を持って判断することが大切です。この記事では、かぼちゃに生えるカビの見分け方や、カビが生えてしまった際にどう対処すれば良いか管理栄養士の視点から詳しく解説します。

かぼちゃに生えるカビは大きく分けて3種類

カビと言っても見た目や生える環境はさまざまです。かぼちゃに発生しやすいカビは主に「白カビ」「黒カビ」「緑カビ」の3種類に大別できます。それぞれの特徴と安全性を見ていきましょう。

白カビ

種やわたの部分に綿のようにふわっと生える白カビは特に注意が必要です。見た目が綿菓子のように糸状で広がるのが特徴で、強い毒性を持っています。食べることはおすすめできません。ただし、かぼちゃの切り口や表面が白く粉をふいたようになっている場合は、カビではなく「でんぷん」が析出していることが多く、こちらは毒性がなく食べても問題ありません。じっくり観察し、区別をつけることが重要です。

黒カビ

お風呂場や水回りでもよく見かける黒っぽいカビは、白カビより毒性は低いとされています。この場合、カビの部分をしっかりと取り除き、加熱調理をすれば殺菌され安全性はある程度確保されますが、完全に無害化できるわけではありません。さらに、鮮度も落ちているため、あまり推奨はできません。

緑カビ

かぼちゃの皮と似た緑色のカビは特に見分けが難しく注意が必要です。緑カビが発生している場合は、すでに皮だけでなく実の部分にもカビが広がっている可能性が高いので、実を切って中まで必ず確認しましょう。白カビが放置されて緑色に変化したケースも多く、この場合は食べるのを避けて処分が望ましいです。

カビが生えたかぼちゃは取り除いても食べない方が良い理由

カビ自体は加熱によって死滅することはありますが、問題は「かび毒（マイコトキシン）」です。これはカビが生産する有害物質で、高熱でも分解されにくく、目に見えないため判別が難しいのが特徴です。かび毒は発がん性やアレルギー、免疫低下といった健康被害を引き起こす恐れがあります。そのため、カビの生えている部分を取り除いたとしても、安全とは言えません。また、カビが広がる前の段階でも鮮度は落ちていることが多く、美味しさも損なわれています。結論としては、カビが発生したかぼちゃはできるだけ食べずに処分するのが安全です。

カビ以外に注意したいかぼちゃの状態

かぼちゃにはカビ以外にも状態が悪化しているサインがあります。例えば、カビは生えていないものの「ヌルヌルする」「異臭がする」「断面が白っぽく粉を吹いたように見える」場合です。これらは糖質やでんぷんが結晶化したものであり毒性はありませんが、味が苦くなったり風味が落ちたりする原因となるため、できるだけ早く食べ切ることがおすすめです。

カビの生えたかぼちゃを誤って食べてしまった場合の対応

もしカビが生えたかぼちゃを少量食べてしまったとしても、必ず症状が出るわけではありません。しかし、食後1～2時間程度で吐き気や腹痛、下痢などの食中毒症状が現れることがあります。異変を感じた場合は無理に症状を止めようとせず、速やかに医療機関を受診し、医師に相談してください。症状が重い場合や長引く場合は特に注意が必要です。

かぼちゃのカビを防ぐための正しい保存方法

かぼちゃのカビ予防には、適切な保存環境の整備が不可欠です。丸ごと・カット後それぞれの保存ポイントを押さえておきましょう。

丸ごとのかぼちゃの保存方法

丸ごとのかぼちゃは、直射日光を避けて風通しの良い涼しい場所に置くことが基本です。ただし、梅雨や夏の高温多湿時期はカビのリスクが高まるため要注意。新聞紙などで包んでから冷蔵庫の野菜室に入れるのが効果的です。傷や割れ目がある場合はそこからカビが発生しやすいので、丸ごと保存にこだわらず早めに使用しましょう。

カットしたかぼちゃの保存方法

カットしたかぼちゃは種やわたの部分からカビが発生しやすいため、わた部分はしっかり取り除きます。その後、切り口からの水分蒸発を防ぐためにラップで密封し、さらに保存袋に入れて空気が入らないように密閉して野菜室に保存します。丸ごと保存より傷みやすいので、できるだけ2～3日以内に使い切るのが望ましいです。

まとめ：美味しく安全にかぼちゃを楽しむために

かぼちゃの白や黒のカビは見た目である程度判断がつきますが、カビ毒の存在もあり、カビが生えたかぼちゃは基本的に食べないほうが良いです。青緑色のカビも実にまで広がっている可能性があるため特に注意が必要です。カビが生える前に適切な保存を行い、特に夏場は冷蔵保存を徹底しましょう。異臭や不自然なぬめりがあれば早めの処分を。安全第一でおいしくかぼちゃを楽しんでください。

かぼちゃの保存ポイント一覧

かぼちゃのカビに関する正しい知識を持って、毎日の食事を安心・安全に楽しみましょう。