お腹の張りやガスによる不快感は、妊娠中の方や普段の生活の中でもよくある悩みです。食事の仕方や姿勢、ストレスなど様々な原因で胃腸の動きが鈍ることで、腸内にガスが溜まりやすくなってしまいます。特に妊婦さんの場合は、安全にお腹を圧迫せずにガス抜きをする方法が必要です。この記事では、お腹の張りをやさしく解消できるヨガのポーズをご紹介します。どちらも無理なくでき、妊娠中の方でも安心して取り組める内容です。
お腹が張る原因と対策
お腹が張って苦しく感じることの主な原因は、ガスが腸内に溜まっていることです。ガスが溜まる理由には以下のようなものがあります。
- 早食いやあまり噛まずに食べることで多くの空気を飲み込んでしまう
- 猫背など前かがみの姿勢によって腹筋が使われにくく、腸の動きが鈍くなる
- ストレスによって自律神経が乱れ、内臓の働きが低下する
- 暴飲暴食や偏った食生活で腸内環境が崩れやすくなる
- 長時間の座り作業で腸の蠕動運動が弱まる
これらの習慣や状況に気をつけることでガスの溜まりにくい状態を作り出せますが、日々の生活の中でどうしても溜まってしまった時にはヨガで腸を刺激するのがおすすめです。
ヨガでお腹のガスを抜くメリット
ヨガは呼吸法とストレッチで内臓の動きを促し、筋肉を動かすことで血行やリンパの流れを良くします。特にお腹周りの筋肉や腸の動きを促すポーズはガス抜きに適しており、不快な張りを軽減しやすくなります。
さらにヨガはストレス軽減にも効果的なので、自律神経のバランスを整え内臓の働きを正常に戻す助けにもなります。妊娠中でも無理なく行えるポーズを選べば、心身ともに健やかに過ごせるサポートになります。
妊婦さんも安心してできるヨガポーズ2選
1. ハッピーベイビーのポーズ(Happy Baby Pose)
お腹に直接圧力をかけずに腸を優しく刺激できるこのポーズは、股関節周りの可動域を広げリンパの流れを促進します。腸も刺激されるためガスの排出を助けるだけでなく、自律神経のバランスも整いやすくなります。
<やり方>
- 仰向けに寝転がる
- 両膝を胸に引き寄せ、足裏を天井に向けて脚を腰幅より広く開く
- 両手で足裏を掴む。内側からでも外側からでもOK
- 足裏を手で床方向に軽く押しながら、膝が脇に近づくように調整する
両手で足裏が届きにくい場合は、片足ずつ行っても問題ありません。
<おすすめの動き>
- 深い腹式呼吸をしながら行う。息を吸う時にお腹を膨らませ、吐く時にぺたんこにするイメージで呼吸し、内臓の動きを活性化
- ポーズのまま左右にゆらゆら揺れる。仙骨付近の蠕動運動を促すツボが刺激され、ガスの動きを促進
2. パピーポーズ(Puppy Pose)
背中や肩を伸ばすイメージのストレッチポーズですが、お腹周囲を引き伸ばしたり、お尻を天井に向けて持ち上げることで腸の位置を整えガスの移動を助けます。お腹を圧迫しないため妊娠中の方でも安心して行いやすいポーズです。
<やり方>
- 四つん這いの姿勢になる
- お尻の位置はそのままに、両手を前方に歩かせるように伸ばす
- お尻を天井に突き出すようにしながら、胸や脇を床に近づけ肩から背中を伸ばす
- おでこかあごを床に預けて肩の力を抜く
額やおでこが床に届かない場合はヨガブロックやクッションを使うと楽にポーズが取れます。
<おすすめの動き>
- お尻をしっかり天井に向けて持ち上げることで腹部が斜めになり、重力で内臓の位置が整い腸内のガスが動きやすくなる
- ポーズ中にお尻を左右に小さく揺らす。腸管の動きを促しガスの排出を助けることがある
ポーズ実践のポイントと注意点
- 無理のない範囲で行い、痛みや不快感がある場合は中止する
- 妊娠中は特にお腹を圧迫しないことを優先し、安定感のある姿勢で行う
- 深い呼吸を意識することで、リラックス効果と内臓の動きの活性化が高まる
- ポーズが難しい場合は、無理をせず片足ずつ行ったり道具を活用して補助を使う
- 定期的に行うことで腸の動きがスムーズになり、お腹の張りにくさを実感しやすくなる
日常生活で気をつけたいこと
ヨガポーズでのガス抜きとあわせて、日常生活でも以下の点に気をつけましょう。
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| 早食い・あまり噛まずに食べる | よく噛んでゆっくり食べる習慣をつける |
| 猫背など悪い姿勢 | 椅子に座る時は背筋を伸ばし、適度に立ち上がる |
| ストレス | 深呼吸やリラックスできる時間を作る |
| 偏った食生活 | 野菜や食物繊維を意識的に摂る |
| 長時間の座り仕事 | 適度に立ち上がり軽い運動やストレッチを実践 |
生活習慣を見直しつつ、ヨガポーズを取り入れてお腹の張りを解消していきましょう。
まとめ
お腹の張りやガスの不快感は、ガスが腸内に溜まることで起こりますが、ヨガポーズを上手に取り入れることで自然に解消しやすくなります。特に妊婦さんが安心してできる「ハッピーベイビーのポーズ」と「パピーポーズ」は、安全に腸を刺激しお腹の張りを和らげる効果が期待できます。
これらのポーズを深い呼吸とともに無理なく継続的に実践することで、内臓の動きが活発になり、ガス抜きや便秘予防にもつながります。日々の生活習慣や食事の見直しとあわせて、妊娠中も心地よく過ごせる体づくりに役立ててみてください。


