毎日使う布団は、私たちの健康と睡眠の質に直結する大切なアイテムです。しかし、寝汗や湿気によって布団が湿ってしまうと、カビやダニの温床になってしまいます。また、冬場は冷たい布団に入るのはとても辛いものです。
そんな悩みを解決してくれるのが「布団乾燥機」です。今回は、最新の布団乾燥機の選び方から、おすすめ機種までを徹底的に解説します。天候に左右されず、いつでも清潔で快適な布団で眠れるようになりましょう。
布団乾燥機の選び方
布団乾燥機を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。自分のライフスタイルや使用環境に合った機種を選ぶことで、より満足度の高い使用感が得られるでしょう。
タイプで選ぶ
布団乾燥機は大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を把握して、自分に合ったタイプを選びましょう。
1. マット式
敷布団の上にマットを敷き、そこにホースから温風を送り込むタイプです。布団全体にまんべんなく熱風を行き渡らせることができるのが特徴です。温めムラが少なく、ダニ対策にも効果的です。ただし、マットの収納に手間がかかるのがデメリットと言えるでしょう。
2. ホース式
敷布団と掛け布団の間に蛇腹状になったホースを伸ばして挟み、熱風を届ける仕組みです。準備が比較的簡単で、使い勝手がよいのが特徴です。近年の主流となっているタイプです。
3. マット・ホースなし(ノズル式)
ノズルを直接敷布団と掛け布団の間に挟む仕組みです。ホースを伸ばす手間がなく、サッと使えるのが魅力です。特に最近は「ホースもマットも不要」という、本体をそのまま使用できるタイプも増えており、手軽さを重視する方に人気です。
機能で選ぶ
1. 温度調節機能
布団の素材によっては高温に弱いものもあります。羽毛布団や高反発素材などは高温で乾燥させると変形の恐れがあるため、温度調節ができる機種が安心です。素材ごとの専用モードがあれば、なお便利です。
2. タイマー機能
自動で電源が切れるタイマー機能があると、電気代の節約や過熱防止になります。また、就寝前に布団を温められる「あたため予約タイマー」機能があると、冬場の就寝時に非常に便利です。
3. 靴・衣類乾燥機能
布団だけではなく、衣類や靴を乾燥させる商品など、マルチで高機能な商品も増えています。雨の日に濡れた靴や洗濯物も乾かせるので、一年中活躍します。
4. ダニ対策機能
ダニは約50℃以上の温度で死滅すると言われています。ダニ対策専用のモードがある機種なら、より効果的です。特に、アレルギー体質の方やペットを飼っているご家庭では重要な機能です。
コンパクト性で選ぶ
布団乾燥機は使わない時の収納スペースも考慮する必要があります。コンパクトサイズで手軽に使えるモデルなら、狭い収納スペースでも置きやすいでしょう。また、ベッド脇に収納できるスリムなモデルだと、就寝前にサッと使えて便利です。
音の大きさで選ぶ
布団乾燥機は稼働音が気になることもあります。65dBを超えるとドアを閉めて隣の部屋にいても音が気になるようです。特にワンルームや1Kなど、狭い住環境の方は静音性にも注目しましょう。
布団乾燥機の主な使い方
布団乾燥機は、季節や目的によって様々な使い方があります。用途を明確にしておくことで、より効果的に活用できるでしょう。
布団の暖め
布団乾燥機で最も使用頻度の高くなる使い方が、布団の暖めです。主に冬場に使う機能で、布団の中を40度前後に暖めることで、冬場に布団に入ったときのひんやりとした感触をなくすことができます。足元を中心に温めれば、より眠りにつきやすくなるでしょう。
布団の乾燥
布団乾燥機の最も基本的な機能で、寝汗などで湿気を含んだ布団を乾燥させることができます。梅雨や夏場の湿気の多い季節はもちろん、冬場も寝汗をかくため、布団乾燥機を高頻度で使用して、一年中乾燥させた状態にしておくことが重要です。
ダニ対策
寝ている時に剥がれた皮脂などがたまりやすく、暖かい繊維で包まれたふとんは、ダニが生息するのにもってこいの環境。特にペットのいる家庭では、多くのダニがふとん内部に生息することがあります。布団乾燥機ではこのダニを駆除することも可能。布団乾燥機からふとんに60度以上の熱風を送ると、ダニ退治に効果があると考えられています。
靴・衣類の乾燥
多くの布団乾燥機には、靴や衣類を乾燥させる機能も搭載されています。子どもの保育園グッズも増えていくと、乾かすのが面倒ですよね。雨の日だとなかなか外に干すことができないので、乾燥機があると天気に左右されなくて心強いです。
布団乾燥機の使用頻度と電気代
布団乾燥機の電気代は、製品や使用するコースによって異なります。ランニングコストを抑えたい方や省エネ性能を重視する方は、あらかじめ電気代の目安を確認しておくとよいでしょう。
家電使用時の電気代は「消費電力(W)÷1,000×稼働時間(h)×1kWhあたりの電気代(円/kWh)」で求められます。布団乾燥モードの消費電力は、約600Wの製品が一般的です。全国家庭電気製品公正取引協議会が定めた「31円/kWh」を採用し、1日1時間使用すると仮定した場合、1ヶ月の電気代は約558円になります。
布団乾燥機を使用する頻度は、週に1回程度が目安です。梅雨の時期など布団の湿気が気になる場合は、週2~3回程度使用して、しっかり布団を乾燥させるのがおすすめ。季節や天候に応じて、使用回数を調節するようにしましょう。
2週間に一度家族4人分の布団を乾かしたときの1年間の電気代は、最も電気代が高い商品でも合計2,200円程度。平均は1,560円程度で、電気代に大幅な差は見られません。
おすすめ布団乾燥機ランキング
それでは、実際のおすすめ機種をランキング形式でご紹介します。それぞれの特徴や価格帯、メリット・デメリットを詳しく解説します。
1位:象印 スマートドライ RF-UA20
価格帯:約15,000円〜17,000円
主な特徴:
「マット&ホース不要」で、パッと開くだけでセットできる簡単さが魅力
象印史上最大風量のツインファンを搭載し、パワフル乾燥が可能
吹き出し口の角度を調整でき、布団以外にも衣類や靴の乾燥もできる
夏・冬・ダニ対策など多彩なコースを搭載
メリット:
準備や片付けの手間がほとんどかからず、数十秒で使用開始できる
コンパクトで収納しやすい
機能性と使いやすさを両立
デメリット:
布団全体が均一に温まらない場合がある
動作中に布団が大きく膨らまないため、効果に不安を感じる方もいる
2位:アイリスオーヤマ カラリエ ハイパワーツインノズル FK-WH2
価格帯:約8,000円〜10,000円
主な特徴:
DCブラシレスモーターを採用し、速暖5分でふとんをあたためることができるハイパワータイプ
2本のノズルで、ふとんを同時にあたため・乾燥することができる
ダニ対策コース搭載で、約50℃以上の温風で気になるダニやハウスダストも退治
準備・片付けの手間がほとんどかからず、使いやすい
メリット:
コストパフォーマンスに優れる
2本のノズルでシングル2組もダブルのふとんにも対応
軽量でコンパクト
デメリット:
ホース部の経時耐久性に不安がある
長時間使用すると音が気になることがある
3位:パナソニック ふとん乾燥機 FD-F06X2
価格帯:約12,000円〜15,000円
主な特徴:
セットはノズルをさしこむだけの簡単さ
マットは縦117cm横180cmでWサイズの大きな布団にも対応
マットタイプで布団全体をムラなくしっかりと乾燥させる
付属のアタッチメントで運動靴や長靴なども乾燥可能
メリット:
温め性能が高く、全体が50℃以上をキープでき、熱ムラが少ない
操作が非常にシンプルで直感的
信頼性の高いブランド
デメリット:
マットを広げる手間がある
片付ける際にマットを畳む必要がある
4位:山善 布団乾燥機 ZFD-Y500
価格帯:約7,000円〜9,000円
主な特徴:
マットありタイプで布団を包む手間はありますが、布団の隅や足元など全体的に温めやすい
シングルサイズに対応
コストパフォーマンスに優れた基本機能モデル
使いやすさを重視したシンプルな設計
メリット:
価格が手頃
布団乾燥機選びに迷っている人すべてにおすすめのバランス型
温風分布が均一
デメリット:
機能がシンプルで多機能ではない
収納時にかさばることがある
5位:カドー ふとん乾燥機 FOEHN PRO(フェーン プロ)
価格帯:約15,000円〜18,000円
主な特徴:
軽量コンパクトタイプのスティック型
独自の送風技術により、スティック型ながらふとんの隅々まで温風が行き渡る
従来モデルと比較し風量が50%アップし、キングサイズまで対応
オゾン発生量UPで強力消臭&除菌にも対応
メリット:
デザイン性に優れている
収納がコンパクト
消臭・除菌機能が充実
デメリット:
価格が比較的高め
布団全体を均一に温めるのに時間がかかることがある
布団乾燥機の正しい使い方
せっかく購入した布団乾燥機を効果的に使うためには、いくつかのポイントがあります。
布団の素材に合わせた使用方法
布団乾燥機を使う前に、寝具の素材をチェックしておきましょう。耐熱温度が低い、ウレタン・高反発素材・羽毛を高温で乾燥させると、変形の恐れや空気を溜め込みにくくなる恐れがあります。
羽毛布団は布団乾燥機を使って乾燥することができますが、設定温度に注意が必要です。一般的に羽毛布団の耐熱温度は約70℃と言われています。
効果的なダニ対策
ダニ対策をする場合は、布団乾燥機からふとんに60度以上の熱風を送ることが効果的です。専用のダニ対策モードがある場合は、それを使用すると良いでしょう。
ただし、ダニは逃げることがあるため、対策できない場合があります。定期的に掃除機でダニの死骸やフンを吸い取ることも大切です。
衣類・靴乾燥の活用法
布団乾燥機は衣類や靴の乾燥にも活用できます。付属するくつ乾燥アタッチメントを使用すれば、スニーカーなどの乾きにくい靴はもちろん、背の高いブーツの乾燥も可能です。ただし、皮製品の場合は、熱に弱いので送風などで乾かしましょう。
また、ニオイのこもりやすいクローゼットも、手軽に空気を循環させて乾燥させられます。
メンテナンス方法
布団乾燥機の重要な部品であるマットとホースの耐久性も、製品選びの鍵となります。マットタイプは布団全体に均一に温風を行き渡らせる特徴がありますが、定期的なメンテナンスが必要です。半年に1回程度、中性洗剤で手洗いし、陰干しすることで長持ちさせることができます。
また、交換用マットがオンラインで購入できる製品を選ぶと、万が一の際にも安心です。
布団乾燥機に関するよくある質問
最後に、布団乾燥機に関してよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
Q: 布団乾燥機と天日干しはどちらが効果的ですか?
ダニ対策をしっかり行いたいなら布団乾燥機のほうが効果的です。ダニに効果的な温度は目安60度以上とされていますが、天日干しだと中々その温度に達しづらいためです。
Q: マットレスに布団乾燥機は使えますか?
使うこと自体に問題はありません。しかしプラスチックパイプ・ビーズなど、熱で溶ける可能性がある素材を使っている場合は長時間直接温風を当て続けないなど注意が必要です。
Q: 布団乾燥機を使ってはいけない素材はありますか?
熱に弱い素材はNGです。ウレタンフォームやナイロンが使われているマットレスは熱に弱いため、布団乾燥機の熱を当てることによって変形して知ったり寝心地が悪くなってしまう場合があるので使わないようにしましょう。
Q: 布団乾燥機はどのくらいの頻度で使うべきですか?
布団乾燥機を使用する頻度は、週に1回程度が目安です。梅雨の時期など布団の湿気が気になる場合は、週2~3回程度使用して、しっかり布団を乾燥させるのがおすすめです。
まとめ
布団乾燥機は、一年を通じて快適な寝具環境を保つために非常に便利な家電です。今回ご紹介したポイントを参考に、自分のライフスタイルや住環境に合った布団乾燥機を選んでみてください。
手軽さを重視するなら「象印 スマートドライ」や「カドー FOEHN PRO」、しっかりとした乾燥性能を求めるなら「パナソニック FD-F06X2」、コストパフォーマンスを重視するなら「アイリスオーヤマ カラリエ」や「山善 ZFD-Y500」がおすすめです。
快適な睡眠環境づくりに、布団乾燥機をぜひ活用してみてください。


